2008年06月23日

『Take Love Easy』Ella Fitzgerald & Joe Pass

これはまさに名人芸だ。

エラ・フィッツジェラルドは、
本当に全天候型・万能ヴォーカリストなんだなぁと
しみじみ感じる。

名盤にして彼女の代表作の1枚『エラ・イン・ベルリン』を聴けば、
彼女のノリの良さ、
バラードの巧さ、
スキャットの巧さ、
聴き手に元気を注入してくれる明るいパワー、
などなど、
全領域の表現力において“完璧”という言葉を贈っても良いほど、
彼女のヴォーカルは全天候型。

オールレンジにおいて素晴らしい表現力がある。


では、このアルバムでのエラは?

陽気でノリの良い要素は陰をひそめ、
どちらかというと、しっとり系。

バラード中心のしんみり&スロー系ナンバーをしっかりと丁寧に歌う。


伴奏はジョー・パスのギター1台のみ。

しかし、これが素晴らしいんだなぁ。

ジョー・パスの心温まる伴奏。
ぴったりとエラの歌唱に寄り添う。

エラの歌に集中して聴けば聴くほど、
ジョー・パスのギターの巧みさに耳が行き、
ジョー・パスのギターに意識を集中させれば、
今度は、エラのヴォーカルがギターと溶け合うように浮かびあがってくる。

しかも、色彩で言えばモノトーンだが、
けっしてダークではない。

まるで、互いが陰になり日向になりの、過不足なしのベストなコンビネーション。
息もピッタリに、互いを尊重しあい、
丁寧に歌を紡ぎだしている。

地味かもしれないが、滋味溢れる演奏。
ベテランだけに出せる深い味わいだ。

じっと聴き入れば、染みてくる一音一音が、
そっくりそのまま心の栄養源。

是非、深夜、一人酒のお供に。




●アルバム
『TAKE LOVE EASY』


●レーベル
Pablo


●リーダー
Ella Fitzgerald & Joe Pass


●収録曲
 1.Take Love Easy
 2.Once I Loved
 3.Don't Be That Ways
 4.You're Blase
 5.Lush Life
 6.A Foggy Day
 7.Gee Baby, Ain't I Good to You
 8.You Go to My Head
 9.I Want to Talk About You


●パーソネル
Ella Fitzgerald (vo)
Joe Pass (g)


●録音年
1973年


posted by 雲 at 20:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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